第2回となる今回はアメリカ陸軍一般部隊で2012~2014年のOCPの装備ガイドです。
ほとんどの部隊にOEF-CP(Operation Enduring Freedom Camouflage Pattern)装備が普及した2012年頃から、マルチカム系の新迷彩OCP(Operational Camouflage Pattern)が採用される2015年に至るまでの装備を紹介していきます。
この時期には多数の犠牲者を出しているIEDに対する防御の思想が強くなり、被害を軽減するような装備が支給されるようになります。
ヘルメット後部に装着する爆発物の破片から後頭部を守るNAPEパッドや鼠径部や局部を破片から保護するPOG(Protective Over Garment)も登場しました。
また、IEDなどの強烈な爆風を受けた際、身体にどれだけのダメージが及んだかを数値化して記録するブラストゲージ(ヘルメットに取り付けるセンサーも登場)も特徴的なアイテムです。
こちらにPEO Soldierの公式資料(2014~2018年)のリンクを貼っておきます。
参考にしてください。
資料:PDF資料
■ヘルメット
・ACH(Advanced Combat Helmet)
・ECH(Enhanced Combat Helmet)
ヘルメットは新型のECHへの更新が決まり、徐々にACHから置き換えが進んだ。付属する物品は基本的には従来のACHから変更はなく、ヘルメットカバー(OEF-CP)やヘルメットバンド(名前、階級、社会保障番号、血液型などのテープを縫い付ける)、リテンションストラップなどを取り付ける。OPS-CORE H-NAPEチンストラップや後頭部にNAPEパッドも見られるようになった。 NVGマウントは種類が多く、AN/PSQ-20などフュージョンタイプのENVGの配備も始まったことから選択肢は多い。
■ユニフォーム
・ACU(Army Combat Uniform)
・ACS(Army Combat Shirt)
・ACP(Army Combat Pants)
OEF-CPのACU上下またはACS、ACPを着用。ACU着用時にはサンドベージュのTシャツの着用が望ましい。多くの兵士が取り出しやすい肩ポケットやスネのポケットにC・A・T止血帯を入れている。
■グローブ
グローブは多様なモデルが用いられるため自由度は高い。官給品ではコンバットグローブやノーメックスグローブなどのほか、NSN指定の民生ブランドも多く使われる。
■ニーパッド
ACPにはニーパッドが付属するため、ACUトラウザー着用時には必要に応じて装着。OEF-CPカラーではMcGuireがメジャー。
■ボディアーマー
・IOTV(Gen2/Gen3)
・SPCS(Gen1/後期型)
IOTVとSPCSのどちらかがよい。SPCSはマイナーチェンジ版も見られるようになり、IOTVはGen2に加え、2013年頃からはGen3も登場した。
■ポーチ
・MOLLE II
基本的にはMOLLE IIでカラーがOEF-CPになった以外大きな変化はなし。
■ブーツ
・Army Combat Boots(ゴアテックス)
ブーツはTANカラーのゴアテックスブーツがほとんど。トレッキングシューズの使用も一部に見られる。
■コミュニケーター
・AN/PRC-148
・AN/PRC-152
・AN/PRC-154
必要に応じて使用する。AN/PRC-148、152に加え、AN/PRC-154も見られるようになった。AN/PRC-152のコントロールデバイス、HARRIS KDU(Keypad Display Unit)の使用も増えた。
■銃器
・IUIDについて
GCSS-Army(兵站・資産管理プラットフォーム)構築の一端として2010年頃に始まった既存装備へのIUID貼付(レトロフィット)作業が2012年頃から本格化。M4カービンなど多くの火器にIUIDデータプレートの貼付が見られるようになった。
・M4 CARBINE(ライフルマン)
使用される光学機器には、変わらずTrijicon ACOG TA31がほとんど。レーザーデバイスもAN/PEQ-15が多数を占める。グレネーダーはM203やM320をバレルマウントする(M320はスタンドアロンも可)。ストック、グリップ、マガジン、BUISなどのアップグレードパーツは使用例に基づいて選定する。フラッシュライトはSUREFIRE M952Vの使用例が目立つ。
・M249 SAW (オートマチックライフルマン)
スコープはELCAN M145かTrijicon TA31がよい。ストックはコラプシブルストックに加え、軽量Lストックも登場した。
・M240B LMG(マシンガナー)
ELCAN M145スコープを搭載するかアイアンサイトを用いる。標準バットストックの他、軽量Lストックも使用される。
・M14/M24など(マークスマン/スナイパー)
マークスマンやスナイパーの装備は、任務や役職に応じて個別に考証する。
・その他
自身が演じる役職に応じ、参考となるミリフォトなどをもとに装備を選定する。
・ナイフ
コンバットナイフ、バヨネットなどのナイフ類のゲームフィールドへの持ち込みは禁止。
以上となります。
次回は2015年以降の装備解説です。
ご不明点は下記アドレスまでお問い合わせください。
rs453@ymail.ne.jp